最後までおつきあい頂き、ありがとうございました。
このお話を書いたのは、授業で『大鏡』の「肝試し」を習った
高校生のときです。
参考にしたのは、授業の内容、教科書、資料集、古語辞典は大修館書店の古語林、
っといったもの。といっても、すみずみまで見ているわけでないので、
何か間違いがあったとしたら(パロディあてはめ小説だから、で全部
すませちゃう、って手もありますけどね・・・)それは私の責任です。
あのころは、なにも堅苦しいこと考えずに書けてて良かったのか、悪かったのか・・・
ここから先は、当時書いた「あとがき」です。
役者をつとめた天下一品キャラと、作者の対談形式になっています。
・・・長い。(汗
※ ※ ※
作者:このお話は「天下一品!」のキャラが「劇をしている」ような感じで書いたものです。
ここからは、役者たちの劇や役に対する感想・本音を紹介していきたいと思います。
かきの種[たね]:ちょっと待ったぁっ!
作:おいおい。いきなりお話に出てないヤツがでてくるなって。
か:天下一品の主役のオレが出てないってのは、どーいうことなんだよっ!(怒)
作:まぁ、まぁ。たしかにこのお話には登場しなかったけどね、ちゃーんとお前に
ぴったりの役は考えてあるんだよ。
か:本当かっ!?
作:藤原伊周[これちか]っていってな、道長水波の甥(道隆火波の息子)なんだけど……
か:ふむふむ。
作:その道長と弓の勝負してボロ負けする役。
か:おい、こら(怒)
作:モテモテの花山天波にヤキモチやいて、矢射かけて、それが原因で左遷されるという
エピソードまでついているっ!
か:いらんわ、んなエピソードーっ!(激怒)
……正直なとこ、たしかに今、天波のヤロウに矢でも射かけてやりたいけどな……
作:ああ。梨野さん、今回は天波の、だもんねぇ。
か:くっそー……役だけとはいえむかつくっ!
作:金波さんも同じよーな気持ちだよねー。
金波輪[かななみりん]:私は別に……
月波光[つきなみこう]:『とか言いつつ、ずーっと不機嫌な顔してる……』
か:なっ! お、お前……梨野に気あったのか!?
金:なんでそーなるのよ! ばかきの!
月:ばかきのー(笑)
か:ばかって言うなっ! 月波、繰り返すんじゃねぇっ!
海波陸[かいなみりく]:……バカだよ。
か:あっ。パソコン。
海:ちっがーうっ!(怒)今はちゃんと人間の姿してるだろーがっ! ふざけんじゃねーぞ、
ばかきのっ!
か:あーっ! お前まで人のことばかきのって……
海:(無視して)ったく。なーんで学園編でもないのにパソコンやってなきゃいけないんだよ。
えっ? 作者さんよぉ。
作:だって、人間のままでお化け役は酷だったから……
海:化けモン役に最初からしなきゃいーだろーがっ! 他に適任いろいろいるだろっ!
くらくらげの他には……真野[しんの]とか。
作:だーって、梨乃さんの方、名前だけとはいえ出しちゃったし……。
ねっ、梨乃さん。
梨乃生徒会長:藤原兼家といえば、浮気男として有名だそうですが、私はそんなことはありません
からね(にっこり)。
作:は、はい、そーですね(なんか汗)。
土波景[つちなみけい]:あっ! 俺も今回すごい恐がりの役やってたけど、本当はそんなこと
ないからねっ!
火波炎[かなみえん]:オレもっす! 今回三十代の役やってるけど、本当は中二っすからっ!
土:……火波さん、それって観点違わない?
火:……それはそうなんすけど……やっぱり三十代の役なんてショックなんす……。
土:歳をいうなら俺だって無理あるよー。二十四だったかな。しかも水波さん(中二)の兄だよ。
俺中一で別に背高い方じゃないし。見えるわけないじゃんかー。
作:だからぁ、ちゃんと「見た目童顔」ってフォローいれただろ。
木波響[きなみきょう]:おかげでいかにもリアリティのない話になってますね。
作:だから……さわやかな笑顔できついこと言わないでってば……
木:あなたが悪いんですよ。僕のことを誤解まねきやすく書くのはやめてほしっていつも
言ってるのに、またこんな書き方して。
作:かといって、水波と全然関係ない役にしても怒るくせに。
木:普通に友達として出してくれればいいんですよ。
作:って言ってるけど、もと水波の親友、梅野くん、意見あるかい?
か:あいつなら来てないぜ。今更水波と会いたくないとか言って。
作:……だってさ、水波。何かご意見は?
水波流[みずなみりゅう]:なんで俺が天波にへつらわなきゃいけないんだ。
作:(梅野くんのことは流したな)へつらってたか?
水:敬語使ってただろ。
作:そ、それはそうだけど、へつらうってほどのものじゃなかったと思うぞ。
そのへんどー思われますか? 天波さん。
天波空[あまなみそら]:あー、楽しかったー。水波の恐がる姿は見れなくて残念だったけど、
劇とはいえ火波と土波のおびえる姿はおもしろかったなー。
みんな:……。
天:あれっ? どーしたの? みんな黙っちゃって。
火:あ、あの……天波先輩、花山天皇の役からぬけきってないような気がするんすけど……。
天:えーっ。そんなことないよー。だってこの話の中の「花山君」はもともと私が
モデルなんだからー。ねっ、海波。
海:まぁ、たしかに、学園編でも俺の前じゃぁこんなもんだが……いいのか?
他の奴らもいる前で「こっちバージョン」でいて。
天:いーの、いーの〜♪ どーせ、ここでの内容は‘学園編の本編’に影響ないんだから。
と、ゆーわけで冥波、何か話してみない?
冥波界[くらなみかい]:……。
天:ねーってばー。
くらくらげ:界くんにちょっかいかけるなーっ!
天:いーじゃんかー。話しかけるくらいー。
く:それ以上のことしたことあるくせにそーいう口きくなーっ! 界くんの
半径一メートル以内に近づいたらずえったいに許さないからねっ!
木:(ヒソヒソ)それ以上のこと、って、なんでしょうねぇ?(黒)
火:(ヒソヒソ)そ、そーいうことなんすかっ!?(慌)
土:(ヒソヒソ)そーいうことって?(純)
水:『こいつらまたしょうもない話を……』
天:まったくー。君はほんっと独占欲がつよいねぇ。
く:うるさーいっ! 界くんはぼくのものなんだーっ!
(瞬間、後ろからむんずとつかまれる)
冥:『所有物発言するなと言ってるだろうが』
(くらくらげを縦に横にぐべぐべ引き伸ばす)
く:か、界くん、ごめんなさい〜っ!
天:こりないなぁ(笑)
金:こんな人天波先輩じゃないーっ!(泣)
月:金波さん、しっかり。
天:じゃ、そろそろ行こうか土波。
土:えっ? どこへ?
天:花山天皇が出家する場面。作者がどーしてもやりたいんだって。
作:そうなんだよねー。本当の大鏡じゃぁ、道兼(土波)が花山天皇(天波)を騙して
出家させちゃうんだよ。
土:えぇっ! 道兼ってただの怖がりじゃなかったの!?
作:なかったんだなー。これが。本当の道兼は花山天皇を騙すほど度胸のすわった奴で、
肝試しの方の道兼は道長を引き立てるためのフィクションだ、って説もあるらしい。
土:……なんかやだなぁ……。
作:私も嫌だ! っつぅわけで、天下一品バージョンの花山院の出家、いってみよーっ!
|