第1話 放課後の校庭9
「ばっ――み、水波さんまでなんてことすんだよ!?」
 水波の腕をふりほどき――いや、水波の腕がゆるまり、土波は慌てて立ち上がった。
 床に腰を下ろしたままの水波を見下ろすかたちになった彼は、真っ赤になって叫ぶ。

「水波さんといい、天波さんといい、今日の態度は一体何なんだよ!」
 昼休みの生徒会室のことも、八つ当たりのように水波に怒鳴る。
「……ヤツと何かあったのか?」
 耳ざとく尋ねる水波。

「!」
 しまった――

「な、何でもない! 俺もう帰るから!」
 はちまきだけはしっかり握りしめると、アイスノンをしたまま、土波は保健室を出て行った。



 何なんだ、今日は。

 天波さんも、水波さんも……

 ……俺も……



 怒り、不快というだけでない思いが胸中にうずまき、自分がほてっているのだと、
彼はうすうす気づいていた。


←BACK  ・ NEXT→

裏天目次
トップページ