「ったた……ぶつかったのはごめんなさい。治療してもらったのは ありがとーございました! 俺もう大丈夫だから帰るよ!」 不機嫌そうに言う土波。痛いところを「なんとなく」でつっつかれては、 そりゃぁ怒るだろう。 「そうか、じゃぁこれ返す」 言って水波が、スッと差し出したのは土波のいつものはちまきだった。 司は受け取ろうと手を伸ばす。 と、水波がそれを後ろに引いた。 土波の手は思わずそれをおいかけ…… どたんっ! がしゃしゃんっっ どっ…… 「いったぁー……。ご、ごめん、水波さん、大丈夫?」 土波はベッドから落ち……水波の上に落ちてしまった。 「けど水波さんが悪いんだよ。突然手をひっこめたりするから」 土波は立ち上がろうと床に手をついた。 しかし、それより先に、 ぎゅっ…… 水波は、何も考えていなかった。 何も考えず、ただ、何かにしたがって、 土波をだきしめていた。 |