腰が砕け、土波はその場にへたりこんだ。 な、何だったんだ、今の!? 一度目は、まだ立っていられた。 しかし二度目…… キスというものは唇を触れ合わせることだとしか定義していなかった彼にとって、 衝撃的な出来事が起こっていた。 座りこんだ土波に視線を合わそうと、天波がしゃがむ。 「ディープキス、って聞いたこともないかな?」 にっこりほほえむ天波。 たった今、あんなことをした人とは思えない笑顔。 「今度、うちに招待したら、来てくれるかな?」 呆然とした土波。答えることなどできない。 「ふふ……本当にかわいいんだな、お前は」 それだけ言うと、天波は生徒会室を出ていった。 |