天下一品! 番外編!? ページ8
「真野!」
 バンッ!
 最初に屋上にたどり着き、声を上げたのはかきのだった。
 さすが梨野がかかっているだけある(さっき梨野のことを忘れて
築と張り合ってたのって一体……)。
「来たな。かきの」
 真野は、ゆっくりと振り返った(んだと思ふ。棒人間だから前後ろよくわからん)。
「梨野は無事なんだろうな……」
 険悪なムードをただよわせまくってかきのは言った。
「睡眠薬入りの‘かきのたね’でぐっすり眠っているところさ」
 真野が棒の手で示した先には、担架(数日前に変わり者の金持ちから盗んだ)の上で
ぐっすりと眠った梨野。
「てっめ……」
 その光景に、かきのは怒りをあらわにした。
「眠ってる梨野に18禁のこととかしてないだろうなっ!!」
 なんて叫んだかきのは17歳!!
「ふん。オレ様は19だからしてその点問題ないが……」
 真野は、鼻がないのに鼻をならすような音を立ててこともなげに答える。
「この姿で何ができるというのだ!」
「そっか……お前、棒人間だもんな……」
 バックに光がはしるほどイバッて断言した真野に、白い目になるかきの。
「胸そらせて言うことかよ……」
「だまれっ!」
 かきのに続き、ひょこりと屋上に現れた築。その白い目と呟きに、真野は
指(棒の腕)さして怒った。
 しかし、次の瞬間には不敵な笑みを浮かべ(た感じがして)……
「たしかに、今のオレ様には何もできないが……」
 パチンッ
 バラバラバラバラ……
『なっ!?』
「ヘリコプタ―!?」
 三番手で屋上に着いた今野が叫んだ。
 真野が指を鳴らした(ような音を指ないくせにどうやってか知らんが発した)瞬間、
その後ろから1機のヘリコプターが屋上に現れたのだ。
 正確に言うと、屋上から見える位置に上がって来た、というところだろうか。
今まで後者の壁面にくっついていたんだろうが……どとしたら、どうやって
音消してたんだ? かきのの言葉を借りるなら「細かいことを気にするな」
といったところだろうけど……
 細かいこと(?)はほっといてよく見ると、梨野が乗せられている担架とヘリとは
すでにロープで結ばれているようだった。
「いつかは元の姿に戻る日が来るっ! その日まで梨野をそばにおいておくのさっ!
 ワーハハハハ
 と、その前に……」
 真野は、自分の左に転がしてある、ロープ−−というよりは、
ぶっとくてひらぺったいゴムのようなものでぐるぐるに縛り倒したまるはげに
目をやった。
((……そーいや、この人の存在忘れてたなー……))
 かきのと築は、珍しく同じ意見をもった。
「お兄様っ!?」
 やっと屋上に着いた志津香は、いきなりの展開に悲鳴をあげた!
「ほう……こいつの妹か。
 言っておくが、こいつは柵がなくて立ち入り禁止になっているこの屋上で、
こともあろうに茶をたててくつろいでいたんだぞ」
「屋上でお茶を飲むのはお兄様の夢だったのよ!」
 志津香は首をぶんぶん振って言った。
 ちなみに他の人は目が点。(目のない真野と、寝ている梨野、
目に黒いカバーガラスのかかっているまるはげはのぞく)
 志津香はかまわず続ける。
「もうすぐ退職だからって校長先生にお願いをしていたんだけど、ついに
許しが出なくて仕方なく……」
「オレ様はそんなこと知らん!」
 真野はほとんどヤケになって叫ぶと、まるはげを片手で持ち上げた。
棒の腕でも、‘力’があるからこそ成せるわざだ。
 そしてそのまま、柵のない屋上の端へスタスタ歩いていき……
「お兄様に何かするつもりなのっ!?」
「こうするのさ……
 レッツ バンジーーーーーーーーーー!!!!!
 どかっ
 言うが早いか、真野は思いっきりまるはげを奈落の底こと屋上から肯定へと
蹴り飛ばした!
 いつの間に蝶ネクタイと金ラメタキシードをぉっ!? 思いっきりのってるよ、
こいつ!!
「キャアァァァァァァァァァァァァァァァァ−−−−−−」
「何てことすんだよ!」
「お年寄りと人質を大事にするのは常識だろっ!?」
 顔を両手で多い、悲鳴を上げた志津香。
 彼女の声で我に返り、築、かきのは慌てて屋上のへりに駆け寄った。
腹ばいになって下をのぞきこむ。
 まるはげは学校をやめるばかりか、残りの人生までフイにする運命なのか!?

 まて、次回!!(パクっ。)


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