目次
- 誕生
- 難病にかかる→母親と引き離される
- 父親の再婚。改名
- 医院長家の長女としての生活
- 義母の決壊。山に置き去りにされる
- 神様と、梨野川としての生活のはじまり
- おばちゃん、緑野との出会い
- 引越し先での生活。小学6年まで
- 新鮮学園中等部に入学。緑野との再会
- 生徒会長との出会い
- かきのとの出会い
- 梅野との出会い
誕生
1983年、12月25日、新鮮町(フレッシュちょう)の商店街で 細々と八百屋を営む夫婦の長女として生まれる。
その夫婦は、第一子(長男)が死産だったため、この子には 強く長く生きてほしいと、「梨乃」(無[な]死の)と名づける。
自分の力を分け与えた魂が生まれたことを感知した神様、 病院に意識を向かわせ梨野の誕生を確認。力を取り戻すための計画を開始する。
※「梨乃」と名づけられたと書きましたが、 ややこしくなるので「梨野」で通します。
難病にかかる→母親と引き離される
ものごころつく前の梨野、 治療に高価な薬が必要な難病にかかる。
医院長の娘(バツイチ。梨野より2歳上の息子あり)が、梨野父に興味をもったとかで、 医院長、梨野父に、梨野を治療するかわりに娘と結婚するようせまる。
梨野父は隠していたが、人のウワサでそのことを知った梨野母、 「自分たちが夫婦であり続けることと、梨乃の命がてんびんにかけられるはずがない。 一度別れたって、生きてさえいればまた会えるから」と、梨野父に離縁をつきつける。
父親の再婚。改名
梨野父と医院長の娘が再婚し、梨野はこの2人の子供として 育てられることになる。
梨野父が医院長家に婿入りする約束だったため、苗字がかわる。 医院長家の苗字が「梨乃」だったため、梨野の名前が「梨乃」ではおかしいと 医院長娘が言い、改名することに。 梨野父が、「文菜」と梨野母の名前を候補に上げると、娘はあっさり承諾。 梨野父、この子は自分のわがままで不幸にした女[ひと]の名前も知らないのかと 怒りを通り越して呆れる。
医院長家の長女としての生活
医院長家の長女として、規律正しく育てられる。叱られることも多かったが、それが 当然なのだと思って育つ。
父親と兄(梨野は義理だと知らない。兄の方は知ってる)はいつも優しくしてくれたが、 母親は、だんだん怒ってばかりになってきたので、どうしてなのか不思議だった。
義母の決壊。山に置き去りにされる
あるひどく天候の悪い日、母親に車で山奥につれていかれ、置き去りにされる。 母や父、兄のことを呼びながら山をさまようが、力つき、意識を失う。
梨野父、委員長娘から梨野を置き去りにしたことを聞いて激昂。 どこへといくら問い正しても、心に病を宿した娘は頑なに口を閉ざしたまま。 またたく間に嵐となった外の様子から、やみくもに探す時間も惜しく、ある方法を決意。 出掛けようとしたところで、自分と同じように妹を心配してくれる医院長家の長男に ひきとめられる。彼に梨野を助けることを約束し、彼女にはもう君しかいないからと 委員長の娘のことを頼み、医院長家を後にする。
梨野父が向かったのは、新鮮町――かつては、「神前町[しんぜんちょう]」と呼ばれていた この町で、神から力を与えられてこの世を危機から救ったという伝承の巫女を祀った社。 その裏手には谷があり、巫女の血を受け継ぐといわれる梨野父の家には、 そこに身を投げれば巫女――あるいは、神に会うことができ、 彼女、あるいは彼によって認められた願いは叶えられる、という言い伝えがあった。
梨野父から梨野の窮状を伝えられた神様、梨野の魂の光をたどる。 どうしていつも、もっと早くかけつけてやることができないのかと 自分の力のなさを嘆きながら梨野を救出する。
神様と、梨野川としての生活のはじまり
目を覚ました梨野。記憶を失っている。
神様から、名前は「梨野川[なしの かわ]」だと教えられる。漠然と「いたはず」 と感じている父母や兄のことを尋ねると、彼らの行方は分からず、ただ 生き倒れになっていた梨野を助けただけなのだと告げられる。
一人でいるのはさびしかったが、「生きていればどこかで会えるから」と 誰かが――父か母?――言っていたような気がしたし、 助けてくれた神様のためにもちゃんと生きていこうと決めた。
「私はこうして親を亡くした子供の世話をみるのが仕事みたいなものなんだ」と 告げる神様のもと、神様に養われる子供の一人としての生活が始まる。
神様が面倒をみている子供はほうぼうに散らばっているとかで、 神様はほとんど家におらず、一人暮らしとかわらないような生活。 迷惑をかけちゃいけないと思い、一人でもしっかり家事をこなせるよう努力した。
おばちゃん、緑野との出会い
梨野がこの時期に二人にであったことは決まっているのだけれど、 そのとき、梨野がどんな生活をしていたとか、細かいことはTBD
神様との生活が始まって間もないころ、梨野、町へ出てみる。
生きていればいつか……その言葉が脳裏に浮かぶ一方で、 今、一人で――神様はいるけれど、両親や兄といった家族がいなくて、 自分一人だけでいるのが辛い、という気持ちもあった。
そんなとき、梨野に声をかけてくれたのが八百屋のおばちゃん。 梨野にかきのたねをくれて、それがとてもうれしかったため、 梨野はかきのたね好きになる。
その後、緑野と出会い、仲良くなる。
しかし、神様は梨野の力が強くなってきていることを感じだし、 このままでは梨野と緑野の関係を壊してしまうと判断。 梨野にどうしてもそうしないといけない事情があるのだと話し、 半ば突然に引っ越すことに。
手紙という通信手段も思いつかぬまま、梨野と緑野は別れる。
引越し先での生活。小学6年まで
引越し先で、梨野は小学校に入学。小学6年までをそこで過ごす。
4年生までは、友達もでき、平穏に過ごしていたが、 5年生になり、クラスがえが行われると、 突然、誰にも近寄られなくなる。
クラスメイトたちは、梨野を嫌って近寄らないというのではなく、 「おそれ多くて近寄れない」という感情を抱いていたりするのだが、 梨野には知る由もない。避けられる、という結果も変わらない。
神様が梨野と緑野を引き離したのは、梨野と緑野との関係も こうなってしまうこと防ぐためだった。
新鮮学園中等部に入学。緑野との再会
新鮮学園中等部に入学した梨野。小学生時代の経験から 学校の門をくぐるときは戦場に向かうような気分だったが、 思わぬことに緑野と再会。しかも、数年にわたる音信不通などまるで なかったかのように接してくれる緑野に心が休まる。
小等部から新鮮だという緑野には、そのころからの友達がたくさんいて、 そのことに寂しさを覚えることもあるが、まぁ、基本的に平和。
生徒会長との出会い
入学式で、緑野は新入生代表のあいさつをすることになっていたが、 とある陰謀によって入学式中某所に閉じ込められてしまう。
そうとも知らない梨野が、リハーサルに向かうという緑野を見送って 自分の席で入学式の開始を待っていると、生徒会長だという生徒に声をかけられる。 緑野と親しそうにしているのを見かけたから、という理由で、 新入生代表の挨拶リハーサルに姿を現さない緑野のことを聞きに来たのだという。 「もう時間もないから・・・」という生徒会長の頼みによって、梨野は 新入生代表の挨拶を、緑野の代役でやることになった。
その生徒会長には、人見知りの梨野が、なぜか親しみをもてたのが、 大役を引き受けた理由だった。
かきのとの出会い
入学式後にクラスに別れて行われたHR、道に迷って遅刻したとかで 神様(学校では神野と名乗って数学講師をやってる)に連れられてやってきた男子生徒に、 突然名前を呼ばれる。それがかきのだった。
でばがめな担任教師が「自己紹介で好きなものをいうように。好きな人でもOK!」なんて 言ったものだから、かきのが「好きなのは梨野」とあっさり言ってくれたおかげで いきなりクラス中からひやかされるなどという展開に。 よって、梨野のかきのに対する第一印象は、最低最悪といって過言ではない。
もとい、ほんとに最初に目があったときは、生徒会長に声をかけられたときにも似た 懐かしさを感じたのだが……そのあとの騒動でさっぱりふっとびました。
告白も真に受けていない。からかわれてるんだと信じて疑っていない。←小学生のときに 同じようなことがあったから
梅野との出会い
見知ったのは、教室での自己紹介。
それなりに関わりができてきたのは、その日の帰り。いっしょに帰ろうとしつこいかきのに、 緑野が、「彼といっしょに帰りなさい」と、てきとーにあてがってかきのの親友に仕立て 上げようとしたのが、通りがかりの梅野だった。
その後、緑野の言葉をすんなり受け入れたかきのは、梨野に話しかけるのにも 梅野を連れてくるようになったり、この4人で一つの班になったりと 関わることが増えていった。