ルッテン村のあらまし


 この土地はもともと、眞魔国国王の直轄地だったんです。

 それを俺の父――初代ルッテン村村長、ダンヒーリー・ウェラーが
当時の国王――彼女は俺の母親なんですが――
フォンシュピッツヴェーグ卿ツェツィーリエから与えられたのが
今から百数十年前のことです。


 ダンヒーリー・ウェラーは、人間の土地であるシマロンで虐げられていた
魔族を愛した人間や、そうして産まれた魔族と人間の混血の者たちを
連れ出し、この土地に住まわせました。

 この土地も、はじめは未開の荒地だったんですが、
シマロンでは作物のまともに育たないやせこけた土地に住まわされていた人々は
土壌の肥沃なこの土地の開拓に喜んではげみました。


 とはいえ、眞魔国の魔族も、人間や、人間との混血の者を
快く思わない者たちが多数でした。
 ――残念ながら。

 当時は名すらなかったこの村で、自分が連れてきた人々が
迫害されていると知った父は、その状況をどうにかしたいと考え、
まず、村に名前をつけました。

 そう、それがルッテン村です。
 そして、ルッテン村創村の責任者として、初代村長になったんです。


 もともと旅をなりわいとしていた父は、
村長になってからも、ほとんど村にいませんでした。

 そのかわり、旅でおもむいた様々な土地の作物の種を持ち帰り、
色々な土地の農作業の技術を得ては村の人々に伝えたんです。

 そうしてこの村は、一大農業地域になっていったんです。


 ちょっと長くなっちゃいましたね。すみません。

 次はどうします?

次は何を案内してもらう?

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   ● あきたので、水路に足をつっこんでみる。


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